薬舐太郎ブログ

興味を持ったことを自由に書いていくブログになります。 それでも、情報源明記・根拠等を大切にしたいと考えています。

調剤事務未経験で難しいのではと、お悩みの方へ知って頂きたい3つのコト

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1.調剤事務未経験でも大丈夫?

結論から申し上げますと、未経験でも可能です。
狭き門でもなんでもございません。
実際に、私が所属していた会社では50代女性未経験の方が採用されていました。

 


2.入社に必要な資格があるのでは?


入社に必要な資格等もございません。
登録販売者は、入社後に必要に応じて取ってほしいというような話を会社から受ける事がございます。
そして、会社によっては登録販売者の資格を持っていると手当が付きます。
 調剤報酬請求事務技能認定、調剤報酬請求事務技能検定試験、 調剤事務管理士調剤事務管理士 技能認定試験)というのが世間ではあるそうですが、いわゆる独占資格ではございませんので不要です。


3.面接でどうすれば採用されるか?


面接官が重視するのは、以下の点です。
(1)見た目に清潔感があるか?
薬局(ドラックストア)では、清潔感があることが求められます。患者様の目が常にありますので、不快感を与えるようでは論外です。
(2)人柄(接したときの雰囲気)
初対面で合い、5分の間でピリピリとした空気、相手に対して攻撃的な印象を与える人は採用しません。
面接官が、攻撃的な雰囲気を感じるということは、患者様も同じように感じるためです。
当たり前ですが、自然な笑顔が求められます。
面接では、最初に笑顔で「(挨拶)本日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございます。〇〇と申します。」から始めて頂くのがよろしいかと存じます。
(3)コミュニケーション能力
患者様、スタッフが、業務で主に接する相手になります。
円滑にコミュニケーションを取れる人を採用します。気難そうな人、採用した場合トラブルを起こすことが予想される人は採用しません
(4)体力があること
面接官は、会社(調剤薬局業界)離職率が高いことを一番理解しています。一生懸命時間をかけて育ててもすぐに退職するであろう人を採用しません。長期間勤務を続けられるであろう体力・気力がある人を求めます。
自分の年齢が高ければ高いほど、面接の時間中だけでもかまわないので、体力が十分あることを感じさせる必要があります。
体力があるアピールのために具体的なエピソードを話すのも一つの手ではございますが、不自然になってしまうと本末転倒になります。それよりも、人が「この人元気がないな」と感じるのは、姿勢や、目線、話し方等々です。

以上が、調剤事務未経験で難しいのではと、お悩みの方へ知って頂きたい3つのコトです。
※こちらから先の文書は、調剤薬局で働くと既に心にきめている方は読む意味のないものになります。



●なぜ調剤薬局で働きたいとお考えですか?


安定していそうだから・・・

理由が「安定していそうだから」であるならば、調剤事務で働き続ける体力・精神力があることを前提として、悪くはない選択だと思います。
一つの薬局で3年間経験を詰めば、薬局はたくさんございますので転職は容易です。
ただし、給与が低いということだけは忘れないで下さい。

事務職だから・・・

事務仕事は、非常に人気があり、有効求人倍率は0.25(2016年データ)だそうです。
事務職で働きたいと考える人4人に対して枠が1つしかない状況になります。
大変申し上げにくいのですが、事務職で働きたい人が多い理由はおそらく、楽そうなイメージがあるからではないかと思います。
調剤事務という仕事について限ってお話するのであれば、便宜上事務という名称が含まれていますが、世間のイメージの事務ではないと考えております。

主な仕事の内容は、以下のとおりです。
処方箋を患者様から受け取る。

処方箋入力

薬のピッキング(この部分は会社によって異なります。ピッキングとは簡単に言うと薬を棚から探してくることです。)

薬剤師に渡す。
その他に、レセプト請求(保険請求)や備品管理、そして掃除などがあります。

通常の事務職には、あまり一般の方と話さないイメージがあるのではないかと思います
調剤事務は、患者様とものすごく話す機会がございます。
「おはようございます」の挨拶から始まり、処方箋を受け取り待ち時間を伝えて(怒られ)、待ち時間が予定よりかかる場合には患者様に声かけし(怒られ)・・・
皆様もご覧になったことがあるかと思われますが、薬剤師は奥の調剤室で監査中だったり、服薬指導中だったりしていて話かけられないことが多いので、患者様からの待ち時間による怒りの矛先は調剤事務の方に向くことが多いです。
そのため、一般の方からのストレスは待ち時間の多い薬局ほど多い傾向がございます。

調剤事務のストレスは患者様からだけではありません。
ここからの話は大変心苦しいのですが、残念ながら同じ職場で働く薬剤師からもございます。
薬局の清掃は、通常清掃専門のスタッフを雇っているわけではなく、基本的にはそこで働くスタッフで行います。
もうお気付きでしょうが、調剤事務の方に偉そうに押し付ける薬剤師がいるのは事実です。
薬局によっては、雑用といわれる仕事を全て調剤事務の方へ押し付ける雰囲気が完成されている場合もあります。
私の働いていた職場では、薬剤師向けに「事務さんに押し付けてませんが?掃除なども率先してやってください!」というような内容の通知が発信されたことがあります。
賃金について需要があれば追記を致しますが、薬剤師と調剤事務の間で著しい給与の差があり、調剤薬局の業務の中には当然薬剤師でないと行えない仕事がございます。
業界全体の流れとして、より収益を上げるために給与の高い薬剤師の割合を減らし、給与の低い調剤事務を増やす傾向がございます。
そのため、経営的な観点から誰にでも出来る仕事は調剤事務の方に、薬剤師にしか法律上出来ない仕事は薬剤師にという方向に、どうしてもなってしまっています。
そんな状態の中で、薬剤師から薬のピッキングが違うとか、処方箋の入力が違うとか怒鳴られると不満が爆発するのも無理のない話だと思います。
面接官はトラブルの起こしそうな人を採用しません。という内容を前述させて頂きましたが、こういったストレスに耐えられるかどうかを見ています。(不満を感じやすい人、特に賃金について敏感な人は採用しません。)
他にも、ベテラン事務スタッフよりも新人薬剤師の方が給与が高いこと、残業時間が(想定よりも)長いこと、理不尽な要求をする患者様がいること等々ストレスの種は尽きることがありません。

定着率の低い仕事です。
そのため、50代女性未経験の方が採用されることはレアケースでもなんでもありません。
ハローワークに常時求人が出ている薬局もあります。

それでも、調剤事務になりたいですか?

 

 

健康的なダイエット方法について考える

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テーマ 最善のダイエット方法とは何か

 

 

最初に


ここで取り扱うダイエットは、疾患がなく、異常な検査値がBMIの他にない人を対象としています。
そのため、容姿などを目的として、やせ型でありながら、さらにやせることを目指したり、普通体重に分類されるが、やせ型を目指したりだとか、そういった方々は特にターゲットにしていません。
目的はあくまでも、健康体を目指すことにあります。
後述するBMI指導において、肥満(3度)以上である人もターゲットにしていません。
肥満(3度)ともなると単純に減量すればよいという話ではなく、医師指導の下で、必要に応じては入院等をして、心臓の状態や、精神的な状態を考慮して適切な管理のもと行う必要があります。



1.正しく現在の状況を知る。

 ヒトの肥満度を表す体格指数は、ボディマス指数〔通称BMIBody Mass Index)〕となります。
BMI=体重÷(〔身長〕×〔身長〕)
※体重【単位:㎏(キログラム)】身長【単位:m(メートル)】
BMIの指標は以下のとおりとなっております。


BMI
18.5未満   低体重(やせ型)
18.5~25未満 普通体重
25~30未満  肥満(1度)
30~35未満  肥満(2度)
35~40未満  肥満(3度)
40以上    肥満(4度)
22が理想のBMI

ここでは、計算例として身長170cm、体重73㎏の男性を想定しています。
BMIの計算式に当てはめますと、
BMI=73÷(1.7×1.7)となります。
BMI=25.3
ここで注意して頂きたいのは、身長の単位がcmではなく、mになっていることです。
cmをmに直す際に÷100を忘れずにお願いします。

肥満症の治療がなぜ困難か(要因)
※肥満症ガイドラインより一部引用
1.食べることがストレス解消の一手段となっている。
2.一度見についた生活習慣の是正は容易ではない。
3.肥満者は一般に寡黙で訴えが少なく、信頼関係を築きにくい。
4.他の疾患に比べて治療効果が出にくい。


2.脂肪について知る、減量にかける期間と目標


減量にかける期間と目標の話をする前に、まずは脂肪というものについて知っていただくために、
リンク【大塚製薬 発見!脂肪組織の働き】をご覧いただけますと幸いです。
※確認しなくても大きな問題はございません。
疾患リスクを軽減するために適度な体脂肪が大切であることが記載されております。

【目標設定】
リバウンドのリスク軽減と健康への影響を考えて、通常一カ月の間に落とすのは現体重の5%までにします。
(急激な体重の変動は心血管イベントのリスクがございます)
前項目で例に挙げた身長170㎝、体重73㎏の男性がBMI22を目指す場合、標準体重は公式に代入して63.5㎏となります。
BMI←目標の22を代入=体重÷(〔身長←1.7を代入〕×〔身長←1.7を代入〕)
22=体重÷(1.7×1.7)
(理想の)体重=63.5
一カ月間に現体重の5%までの減量になるので、現在の体重73×0.05(5%)=3.65kgとなります。
一カ月に3.65kgということは、現在の体重73-63.5=9.5㎏ほどの差があるため
9.5kg÷3.65=2.6で必要最低期間がおおよそ2.6カ月になります。
個々のケースに合わせて目標設定をしてください。


3.取り組み方法

 ●体重の記録
体重の日内記録表(ネットで検索するとフォーマットが入手可能です。)を利用して記録を取ります。
通常、体重は最も朝が減り、夜間は約0.5~1.0㎏増加して最も重くなります。
何をどれくらい食べればどのくらい増え、またその逆も自然と理解出来るようになります。
自分の行動観察ができるようになり、食生活の工夫も可能になります。
原則、1日4回測定が推奨されていますが、困難が予想されるため、朝・夕の1日2回でも可能です。
結果をグラフ化することで、その変動要因をたどることが出来ます。

●食事
肥満治療食は、エネルギー制限が基本です。
ただし、筋肉量を減らさない、代謝活性を落とさないようにする必要があります。
そのために、タンパク質をしっかり摂取し、窒素バランスが負にならないようにするとともに、各種ビタミン、ミネラルも欠乏することがないように摂取する必要があります。

方法として、調整食(フォーミュラ食)を利用する手もございます。
記事が長くなりますので今回は簡単な説明のみにさせて頂きますが、エネルギー成分(糖質、脂質)を極力減らし、タンパク、ビタミン及びミネラルは1日必要量を3袋で摂取できるように調整されたパウダー状のものを水に溶かして服用するものです。
こちらを普段の食事と置き換えます。
1日3食を全てフォーミュラ食に置き換える(超低エネルギー食療法)もありますが、行う際には医師のもとで行って下さい。
1日1食の場合は一般に、最もカロリーの高い夕食をフォーミュラ食に置き換えるのが望ましいとされています。

1日のカロリー設定方法
最大許容摂取エネルギー(1日あたりのカロリーの上限)は、基礎代謝〔体重×25kcal/日〕を基準として、運動量に応じて、体重×40kcal/日までの間で設定します。
ただし、肥満者の場合には現在の体重をかけると、摂取過剰となるため、減量出来ません。
これらを参考に、1000~1800kcalの間から実施可能なレベルの食事を選びます。

例 身長170cm×体重73㎏の男性なら
BMI=体重÷(〔身長〕×〔身長〕)
BMIに22を代入して計算すると
標準体重63.5㎏
63.5×25=1587 約1600キロカロリー

他の計算方法として、現在の1日摂取エネルギー(現在の1日でとるカロリー)を調べて、そこから、例えば700kcal減らすとすると、700kcal÷7kcal(1gの脂肪を減らすのに必要なカロリー【熱量】)=100gとなり、1日で100g減らすことが可能になります。
遵守できれば、計算上は1カ月に約3キロ減量できることになります。
例 毎日2100kcal摂取していて体重が安定している場合、1日あたり1400kcalに減らせば月3キロ減量を期待できる

公式 減らす1日あたりのカロリー数÷7kcal=1日あたりに減少する体重量(g)

『補足』1gあたりの脂肪組織を7kcalで計算する理由
正確な熱量は、タンパク質と炭水化物は1gあたり約4kcal、脂質は1gあたり約9kcalとなりますが、実際には脂肪のみが燃焼されることはないため7kcalで計算します。

タンパク質について
ダイエットすると筋肉が落ちるという話を度々耳にする機会があるかと存じます。
それは、摂取するタンパク質が減少してしまったためにタンパク異化が主な原因です。

『補足』タンパク異化とは
文字のとおり、体内のタンパクが分解され他のものに形を変えるということです。
タンパク質は新陳代謝に利用されるため、不足すると最初は髪や爪が荒れ始め筋力が衰えます。
最後には各臓器の機能が低下します。

上記のタンパク異化が起こることがないように、減量中のタンパク質は最低保持量を設定します。
基本的には、1日あたり標準体重×1gが必要です。
筋肉量を減らさないためにはさらに適度な運動を加えることも大切です。
例 標準体重63.5㎏なら63.5gが最低保持量
(標準体重1kgあたり1.0~1.23を確保する)


食事を減らすとともにビタミン、ミネラルが不足しないために摂取する方法
緑黄色野菜、海藻、種実類、キノコ類、肉類、魚類、豆類、卵類→鉄、亜鉛、銅、マグネシウムマンガンモリブデン
牛肉、豚肉、青魚、貝類→ヘム鉄、亜鉛、鉄、銅類
を意識する。
1.タンパク質を1日70g以上、特に赤み肉、青魚をとる。
2.緑黄色野菜は最低1日100g以上とる。
3.海藻、キノコ類、種実類を1日1回とる。

『補足』単品ダイエットについて(肥満症ガイドラインより引用)
有効ではありません。りんご、バナナ、ヨーグルトなど特定の食品ばかりを食べる単品ダイエットが望ましくない理由は、単品で必要な栄養素を十分に備えた食品は存在せず、長く続けると、ビタミン、ミネラル、あるいはタンパク質の欠乏症に陥るからです。

『補足』絶食療法について(肥満症ガイドラインより引用)
絶食療法が行われたことがありましたが、その後、心筋障害を起こすリスクが高いことが報告されており、極めて危険ですので、決して行ってはなりません。

●運動
減量には、運動療法よりも食事療法のほうが効果が高いです。

エネルギー学的に考えると、基礎代謝を維持するために1日、1kgあたり25kcal必要になります。

1日の歩数で考えると、通常の1日の消費されるカロリーが考えやすいです。
消費エネルギーと身体活動量との関係は、身体活動量を歩数で比較すると以下のとおりとなります。


1日5000歩以下→25-30kcal
1日5000~10000歩→30-35kcal
1日10000歩~15000歩→35-40kcal

毎日4000歩移動する体重63.5㎏の人が1日に消費するカロリーは、63.5×25kcal[表より]=約1600キロカロリー1日で消費すると考えられます。それ以上のカロリーを取れば太り、少なければ痩せます。

運動で消費するカロリー
運動で消費するカロリーを求めるには通常METSを用います。
METSを用いた消費カロリー推定値は以下のようになります。
公式
消費カロリー(kcal)=METS×運動時間(単位 時間)×体重(㎏)×1.05

METS表
速足4.0
水泳8.0
軽いサイクリング4.0
ゴルフ3.5
軽いジョギング6.0
ランニング8.0
軽いテニス7.0

この式の「METS」というところに上の表のMETSを代入します。
運動時間のところは「分」ではなく、「時間」になっていますのでご注意下さい。
つまり30分の運動なら0.5です。
運動時の消費カロリーではなく、安静時のカロリーを求める場合には1を代入してください。

例 体重60kgの人が、0.5時間(30分)軽いジョギング(6METS)を行う時の推定消費カロリーは
消費カロリー(kcal)=METS(6を代入)×運動時間(0.5を代入)×体重(60を代入)×1.05
消費カロリー=189kcal

この式からもわかるとおり、体重60キロの人が、食事のカロリーを変えずに運動療法のみで月3キロの減量を目標に、毎日700kcal消費するためには、軽いジョギングを1.85時間続けなくてはならないことがわかります。
計算式
消費カロリー(700を代入)=METS(6を代入)×運動時間(Yを代入)×体重(60)×1.05
Y=1.85時間

それだけの時間平日・休日問わず続けることは、少なくとも私にとっては現実的でないので食事を変える方が早いと感じられます。


まとめ


いかがでしたでしょうか。

最初から最後までお付き合い頂いた方は少数だと思われますので
まとめますと
食事を変えずに運動のみで痩せるのは難しいので、筋肉量を減らさない程度の適度な運動をして、絶食や単品ダイエットは行わず、タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識したバランスの良い食事を心掛け、摂取カロリーの制限を行い1日2回の体重記録もして、変動の要因を考える。
そうやってダイエットしてくださいね!という話でした。

 

お読みいただきありがとうございました。

薬剤師の給料は高いのか?(医療従事者給与比較)【厚生労働省統計調査】

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 最初に

 薬剤師の給与をイメージや、知り合いからの噂のみではなく、ある程度の根拠に基づき考察することが本記事の目的です。
本記事をお読みいただく前に、前記事を、お読み頂ければ幸いです。

dokoyaku.hatenadiary.com

※数字の見方
203.4千円→20万3,400円です。

※画像はクリックで拡大されます。

ご覧になっている皆様がどう感じるはわかりかねますが、
恥ずかしながら私にとってこの千円という表記は見慣れないため酷く見にくく感じられます。
そのため、一部のデータは見やすいように加工させて頂きます。
ただし、意図的な改ざんや、誤解を招くことがないようにここでは、どのように加工したかを全て明記します。
興味のない方は、読み飛ばして頂きますようお願い申し上げます。
また、ここで登場する金額は全て税金が引かれる前の金額であり、いわゆる手取りの金額ではございません。ご注意下さい。

 

基礎知識!

薬剤師の給与がどうかを考えるために、他がどうかを知る必要がございます。
簡単にではございますが、お話させて頂きます。

一般労働者の賃金
賃金の推移
賃金は、男女計304.3千円(年齢42.5歳、勤続12.1年)、男性335.5千円(年齢43.3歳、勤続13.5年)、女性246.1千円(年齢41.1歳、勤続9.4年)となっている。賃金を前年と比べると、男女計及び男性では0.1%増加、女性では0.6%増加となっている。”
(平成29年賃金構造基本統計調査 結果の概況より引用)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/index.html

ここで定義づけられている一般労働者は中卒、高卒、大卒、院卒も全て含まれており、正規・非正規も問われていません。
とにかく、一般労働者は月30万4300円が平均となるようです。

 

次に、男女別かつ、正社員(正職員)・正社員(正職員)以外で分けているグラフを引用致します。

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男性の正社員での月給与平均が43万7300円、女性の正社員での給与平均が30万5000円となっております。


薬剤師の給与が他の大学を卒業した場合と比較してどうなのかも検討する必要がございますので、以下の表をご紹介いたします。

学歴別にみた賃金
”学歴別に賃金をみると、男性では、大学・大学院卒が397.7千円(前年比0.5%減)、高専・短大卒が311.0千円(同1.5%増)、高校卒が290.7千円(同0.9%増)となっている。一方、女性では、大学・大学院卒が291.5千円(同1.0%増)、高専・短大卒が254.8千円(同0.3%減)、高校卒が210.9千円(同1.2%増)となっている。”

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第3表 学歴、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差より一部引用

 

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大学・院卒の初任給

初任給の定義
”通常の所定労働時間、日数を勤務した新規学卒者の6月分所定内給与額(所定内労働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない。)から通勤手当を除いたものであり、新規学卒者数による加重平均である。調査年6月末現在で実際に雇用されている新規学卒者のうち、調査年度の初任給額が確定した者を対象としている。”
簡単に言うと、6カ月の月平均です。

 

男女計

大学院修士課程修了 238.7千円 (対前年増減率 2.3%)
大学卒 206.7千円 (    〃 0.3%)

平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給より引用
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/01.html

新卒の大学生月平均は、20万6700円です。

 

大学・大学院を卒業して大企業に就職した年収推移も厚生労働省から抽出し、作成しました。
通常の年収の推移などがこちらで確認出来ます。

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いかがでしたでしょうか?
意外と思える数値はございましたでしょうか?
それではいよいよ薬剤師(他医療従事者)の給与を見ていきます。

薬剤師給与(医療従事者含む)

ここからのデータは以下政府統計より引用しております。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001098975&tclass2=000001098977&tclass3=000001098985&second2=1
統計で見る日本e-Statは、日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトです
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK26021_W3A820C1000000

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政府の統計は企業規模ごとになっております。

10人以上、1000人以上、100~999人、10~99人の4分類となっているため数字がたくさんあり見にくい状態になっておりますが、ご了承下さい。

上の表2つが私が手を加えていないそのままのデータです。

上の表から、従業員数を削除し、年収ベースで考える方が理解しやすいため「きまって支給する額」×12(カ月)+「年間賞与(いわゆるボーナス)」で求めます。

ついでに単位千円を円に変えました。

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年収は残業代込み528-575万円前後であることがわかります。

平均年齢にも誤差があるため完全な企業規模での比較は難しいように見受けられますが、おおおよその給与は判断できます。

最後に年齢別も見たいと思います。

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薬学部進学を決める前に知ってほしい大切なこと

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※この記事は、薬剤師になることを目的として薬学部への進学を検討している学生本人ならびにご家族の皆様向けに書いております。
そのため、6年制の薬学部を基本に取り上げています。

最初に

皆様はなぜ、薬剤師になりたい(ならせたい)とお考えでしょうか。
収入の安定が目的ですか、給料が高い(と思っている)からでしょうか。
それとも、人々の健康に寄与し社会に貢献したいからでしょうか。
他にもいろいろな理由があることと存じます。
何事も初心は大切です。
例えば、高収入だと思い薬剤師になり、現実が理想と異なっていたら取返しはつきません。
6年制薬学部を卒業し、現役薬剤師をしている私から皆様にいくつかお話をさせて頂きたいと存じます。

 

収入の安定に関して

結論から申し上げますと、間違いなく収入は安定しています。
少なくとも、調剤薬局・ドラックストアーで就職先に困ることはございません。
応募要件も調剤未経験可となっていることが多く、免許さえあれば、他職種からでも可能で再就職に困ることはないでしょう。
その他の就職先になると、競争がございますがこの状態は今後5年間は変わることがないと考えております。
ある就職エージェント様も私と同じ見解でした。
皆様も、街を歩けば薬剤師の求人広告を見かける機会があることと存じます。

高給?に関して

一部の方々が薬剤師が高給取りだと思っている理由は、ドラックストアの大々的な求人広告にあるのではないかと考えております。
具体的には「未経験可!、1年目から年収600万円!」といった内容の求人が挙げられます。
きっと普通の人がご覧になると1年目から「そんなに!?」とさぞかし衝撃が走ることでしょう。
まず、この求人は基本的に残業代込み、全国転勤ありです。
残業代込みで600万円でも充分すぎるほど高いと考える方も多いでしょう。
現に、私もその一人です。給与としてはそれだけの金額を提示されれば全く不満はありません。

しかしながら、平成29年賃金構造基本統計調査を基に作成したデータ(別記事参照)では、20~24歳 薬剤師(男) 年350.8万、薬剤師(女)年359.4万となっていますので、平均は600万円よりも遥かに下回ります。
また、推定される生涯賃金から、学費と年数(4年制大学を卒業した普通の会社員よりも2年間働いていない期間があります。)を考慮してください。
給料は、通常ドラックストア>調剤薬局>病院です。(もちろん個々の例を見れば例外はあります。)


ご参考までに、厚生労働省が発表している「平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」(URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/index.html)

データから作成した薬剤師就職先グラフを掲載致します。

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その他

・残業とかなさそうだから・・・

調剤薬局は営業時間が決まっているから、定時に仕事が終わるに違いない。」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。
薬剤師の業務の中には、薬歴記入がございます。基本的に服薬指導を行ったその日の内に服薬指導の内容を記録する法律上の義務がございます。
そのため、残業がないというのは幻想です。
さらに忘れてはならないことが薬局携帯の存在です。24時間対応が、とある調剤報酬の算定要件になっているためにほとんどの薬局では、薬局携帯が配置されています。
薬局携帯をどの薬剤師が管理するかは、企業ごとに異なりますが通常当番制になります。
(薬局長が常に管理する方針の企業もございます。〕
労働基準法的には、色々と考えさせられる部分ではございますが、とにかく自分の当番の週〔月〕には仕事が休みの日だろうと、睡眠中だろうと患者様からの問い合わせに応じなくてはなりません。
残業や時間外対応について詳しくお話するとこの内容だけで1記事分になりますのでこれ以上は割愛します。

 

・ストレスとかなさそうだから・・・
私にとって調剤・ドラックストアの心的ストレスを語るのは難しいことです。
どういう言葉を使えば皆様に完全に伝わるかのか。
統計的な観点から離職率の高さを引用しても良い手でしょうし・・・と考えましたが、
最も伝える方法は、経験して頂くのが一番だという結論に至りました。
「どうやって?」と思われたことと存じます。
一日体験薬剤師などではございません。待ち時間の長い薬局を探し、最も待ち時間の長い時に処方箋を出して薬局を観察してみてください。
きっと、薬剤師が待ち時間で謝罪したり、罵倒されている光景をご覧になれることでしょう。
それを毎日耐える精神力がなければ、調剤・ドラックストアの薬剤師は不向きです。
こちらが、主な患者様からのストレスです。
他には、医師からのストレス、そして従業員からのストレスがございます。
再度文字数の観点から、医師からのストレスは割愛して、従業員同士のストレスを解説します。

従業員は、薬剤師と、薬剤師でないスタッフから構成されます。
もうお気づきになった方もいらっしゃる事と存じますが、給与に著しい差がございます。
同じ正社員で、同じ場所にいるにも関わらず年収200万円とか差があった場合どう感じるでしょう?
薬剤師でない正社員スタッフは、多くの職場で非常に低い賃金で働いているのが現実です。
新人薬剤師が入社するとベテラン事務スタッフからいじめられる事例が多々ございます。
そこから事件が始まり、その報告を受けた薬局長(あるいは管理者)が事務スタッフに向かって「お前の変わりはいくらでもいる。」となどと言ってしまうともう戦争です。
仕事の中で、最も難しいのが社内の人間関係といわれる程度にはストレスがございます。
この記事ではここまでにさせて頂きます。

さいごに

※6年制薬学部に通えば簡単に薬剤師になれると思っている方へ
・学業について
大学の公表する薬剤師国家試験合格率を鵜呑みにしないで下さい。
例えば、ある大学のホームページに合格率が65%と記載があったとして、入学した100人中六年間で65人が合格したということではございません。
実際には、偏差値の低い大学ほど、進級試験により留年をさせたり、卒業延期処置を行い計算式から除外をさせたりします。
「真の薬剤師国家試験合格率」と検索するとその大学の本当の合格率がわかります。
見方や計算式なども詳しく解説したいのですが、ここでも文字数の観点から割愛します。(リクエストございましたら、迅速に対応しますのでどうぞお気軽にご連絡ください。)
「甘くはない」とだけ、申し上げます。

・金銭的な負担について
公立はともかくとして、私立の薬学部の学費は本当に高いです。
前述しましたとおり、6年間分だけの学費で計算すると学費が不足し、退学しか選択肢がなくなることがございます。
進学前に必ずご家族とよくご相談下さい。