薬舐太郎ブログ

興味を持ったことを自由に書いていくブログになります。 それでも、情報源明記・根拠等を大切にしたいと考えています。

薬学部進学を決める前に知ってほしい大切なこと

f:id:dokoyaku:20181227210853j:plain

 

※この記事は、薬剤師になることを目的として薬学部への進学を検討している学生本人ならびにご家族の皆様向けに書いております。
そのため、6年制の薬学部を基本に取り上げています。

最初に

皆様はなぜ、薬剤師になりたい(ならせたい)とお考えでしょうか。
収入の安定が目的ですか、給料が高い(と思っている)からでしょうか。
それとも、人々の健康に寄与し社会に貢献したいからでしょうか。
他にもいろいろな理由があることと存じます。
何事も初心は大切です。
例えば、高収入だと思い薬剤師になり、現実が理想と異なっていたら取返しはつきません。
6年制薬学部を卒業し、現役薬剤師をしている私から皆様にいくつかお話をさせて頂きたいと存じます。

 

収入の安定に関して

結論から申し上げますと、間違いなく収入は安定しています。
少なくとも、調剤薬局・ドラックストアーで就職先に困ることはございません。
応募要件も調剤未経験可となっていることが多く、免許さえあれば、他職種からでも可能で再就職に困ることはないでしょう。
その他の就職先になると、競争がございますがこの状態は今後5年間は変わることがないと考えております。
ある就職エージェント様も私と同じ見解でした。
皆様も、街を歩けば薬剤師の求人広告を見かける機会があることと存じます。

高給?に関して

一部の方々が薬剤師が高給取りだと思っている理由は、ドラックストアの大々的な求人広告にあるのではないかと考えております。
具体的には「未経験可!、1年目から年収600万円!」といった内容の求人が挙げられます。
きっと普通の人がご覧になると1年目から「そんなに!?」とさぞかし衝撃が走ることでしょう。
まず、この求人は基本的に残業代込み、全国転勤ありです。
残業代込みで600万円でも充分すぎるほど高いと考える方も多いでしょう。
現に、私もその一人です。給与としてはそれだけの金額を提示されれば全く不満はありません。

しかしながら、平成29年賃金構造基本統計調査を基に作成したデータ(別記事参照)では、20~24歳 薬剤師(男) 年350.8万、薬剤師(女)年359.4万となっていますので、平均は600万円よりも遥かに下回ります。
また、推定される生涯賃金から、学費と年数(4年制大学を卒業した普通の会社員よりも2年間働いていない期間があります。)を考慮してください。
給料は、通常ドラックストア>調剤薬局>病院です。(もちろん個々の例を見れば例外はあります。)


ご参考までに、厚生労働省が発表している「平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」(URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/index.html)

データから作成した薬剤師就職先グラフを掲載致します。

 f:id:dokoyaku:20181224154718p:plain

その他

・残業とかなさそうだから・・・

調剤薬局は営業時間が決まっているから、定時に仕事が終わるに違いない。」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。
薬剤師の業務の中には、薬歴記入がございます。基本的に服薬指導を行ったその日の内に服薬指導の内容を記録する法律上の義務がございます。
そのため、残業がないというのは幻想です。
さらに忘れてはならないことが薬局携帯の存在です。24時間対応が、とある調剤報酬の算定要件になっているためにほとんどの薬局では、薬局携帯が配置されています。
薬局携帯をどの薬剤師が管理するかは、企業ごとに異なりますが通常当番制になります。
(薬局長が常に管理する方針の企業もございます。〕
労働基準法的には、色々と考えさせられる部分ではございますが、とにかく自分の当番の週〔月〕には仕事が休みの日だろうと、睡眠中だろうと患者様からの問い合わせに応じなくてはなりません。
残業や時間外対応について詳しくお話するとこの内容だけで1記事分になりますのでこれ以上は割愛します。

 

・ストレスとかなさそうだから・・・
私にとって調剤・ドラックストアの心的ストレスを語るのは難しいことです。
どういう言葉を使えば皆様に完全に伝わるかのか。
統計的な観点から離職率の高さを引用しても良い手でしょうし・・・と考えましたが、
最も伝える方法は、経験して頂くのが一番だという結論に至りました。
「どうやって?」と思われたことと存じます。
一日体験薬剤師などではございません。待ち時間の長い薬局を探し、最も待ち時間の長い時に処方箋を出して薬局を観察してみてください。
きっと、薬剤師が待ち時間で謝罪したり、罵倒されている光景をご覧になれることでしょう。
それを毎日耐える精神力がなければ、調剤・ドラックストアの薬剤師は不向きです。
こちらが、主な患者様からのストレスです。
他には、医師からのストレス、そして従業員からのストレスがございます。
再度文字数の観点から、医師からのストレスは割愛して、従業員同士のストレスを解説します。

従業員は、薬剤師と、薬剤師でないスタッフから構成されます。
もうお気づきになった方もいらっしゃる事と存じますが、給与に著しい差がございます。
同じ正社員で、同じ場所にいるにも関わらず年収200万円とか差があった場合どう感じるでしょう?
薬剤師でない正社員スタッフは、多くの職場で非常に低い賃金で働いているのが現実です。
新人薬剤師が入社するとベテラン事務スタッフからいじめられる事例が多々ございます。
そこから事件が始まり、その報告を受けた薬局長(あるいは管理者)が事務スタッフに向かって「お前の変わりはいくらでもいる。」となどと言ってしまうともう戦争です。
仕事の中で、最も難しいのが社内の人間関係といわれる程度にはストレスがございます。
この記事ではここまでにさせて頂きます。

さいごに

※6年制薬学部に通えば簡単に薬剤師になれると思っている方へ
・学業について
大学の公表する薬剤師国家試験合格率を鵜呑みにしないで下さい。
例えば、ある大学のホームページに合格率が65%と記載があったとして、入学した100人中六年間で65人が合格したということではございません。
実際には、偏差値の低い大学ほど、進級試験により留年をさせたり、卒業延期処置を行い計算式から除外をさせたりします。
「真の薬剤師国家試験合格率」と検索するとその大学の本当の合格率がわかります。
見方や計算式なども詳しく解説したいのですが、ここでも文字数の観点から割愛します。(リクエストございましたら、迅速に対応しますのでどうぞお気軽にご連絡ください。)
「甘くはない」とだけ、申し上げます。

・金銭的な負担について
公立はともかくとして、私立の薬学部の学費は本当に高いです。
前述しましたとおり、6年間分だけの学費で計算すると学費が不足し、退学しか選択肢がなくなることがございます。
進学前に必ずご家族とよくご相談下さい。